免責が許可される場合
免責の審理が終わると、その結果が債務者に通告されます。もし、審理の結果、問題ないと判断された場合、免責が成立します。しかし、この時点でもまだ確定ではありません。債権者には、免責許可決定の後、2週間以内に高等裁判所に対して不服の申し立てを行う権利があります。つまり、控訴に近い感じです。
ただし、この機会はほとんどありません。というのも、地方裁判所で免責許可が決定したものを、高等裁判所が却下するというケースはまずないからです。そして、債権者にしても、そこまでする価値を見出すケースはほとんどないでしょう。
つまり、地方裁判所が免責許可決定を出した時点で、自己破産が成立したと考えて差支えありません。この時点で、晴れて自己破産成立です。長かった手続の日々がこれでようやく終わります。
ただ、当然ながら、不許可となるケースもあります。通常、破産手続が成立した場合にはほとんど免責の方も成立するのですが、中にはそうでないケースもあります。例えば、免責不許可事由に該当する場合です。ギャンブルなどによって過大な借金を背負った場合などです。
とはいえ、これらの不許可事由にも情状酌量の余地があります。よほど酷くない限りは、裁判官も大目に見る事があります。裁量免責と呼ばれるものです。
そのため、不許可事由に該当しつつも、自己破産に持っていけるというケースは珍しくありません。もしそういった事由をあらかじめ知っており、自己破産は難しいだろうと思っている方がいたら、一度弁護士の先生に相談してみると良いでしょう。