破産手続開始決定とその後

審尋が問題なく通った場合、破産手続開始決定とみなされます。つまり、この時点で申し立てを行った債務者は破産者となるわけです。自己破産を目的として申し立てをしているので、とてもめでたい事ではありますが、やるせない気持ちも同時にわいてくるでしょう。ただ、ここで気持ちを切らせてはいけません。まだまだやる事は沢山あるのですから。

 

破産手続開始決定は、公告されてから2週間後に確定します。もちろん、本人に通告されるのは、その前です。この時点で自己破産は成立しているのかというと、実際にはまだです。

 

破産者となったとはいえ、借金がなくなったわけではありません。これから、その借金についての整理の手続をしていく事になります。この時点では、まだその権利を得たに過ぎません。言ってみれば、前半戦が終わった段階です。ここからが重要と思ってください。

 

破産手続開始決定の後、財産の処分が正式に開始します。ここで重要なのは、財産があるか、ないかです。財産といっても、当然貯金があるというわけではありません。あるなら返済にまわしているでしょう。

 

ここでいう財産とは、家や土地を始め、換価が可能な物件、物品についてです。自己破産で最も神経を使うのは、この財産の分与についてなのです。

 

実際、葬式の際にもこういった財産分与は大きな問題になり、裁判沙汰になる事もあります。お金や財産の分与というのは、非常に神経を使う作業です。上記の状況とは少々違いますが、それでも多少の苦労は覚悟しておきましょう。